iPhoneのカメラアプリにある「live Photos」機能を使ったことはありますか?「撮影してみたけど、数秒の動きがある動画が撮れた」「別に静止画で良くない?」と思っている人も中にはいるのではないでしょうか。たしかにlive Photosは数秒間の動き(シャッターボタンを押す前後1.5秒ずつ)を保存するもの。しかし、それだけではありません。
live Photosには驚くような美しい写真を作り上げる秘密を抱いているのです。その秘密とは「長時間露光加工ができる」ということ。長時間露光撮影とは、車のライトが一本の美しい線のように撮影したり、海の波しぶきを美しく撮影したりできる撮影方法です。今回は、そんなiPhoneのlive Photosを使用した長時間露光についてご紹介します。
他アプリをインストールする必要なし!長時間露光を標準カメラアプリで実現
「長時間露光撮影をおこなうなら、専用のアプリが必要」「長時間露光撮影をするにはそれなりの機材が必要」と思い込んでいる人もいるでしょう。でも実は、iPhoneに最初から備わっているカメラアプリを使えば、簡易的なものではありますが長時間露光撮影ができちゃいます。
必要なのはiPhoneのカメラアプリで使える「live Photos」という機能です。
iPhoneカメラのlive Photosについて
iPhoneの標準カメラアプリに搭載されているlive Photos(ライブフォト)とは、写真の撮影(シャッター)ボタンを押す前後の動きと音を保存できる機能のことです。静止画ファイルとともに、撮影ボタンを押す前後の1.5秒間の動画ファイル(音入り)が保存されます。
そのため撮影する前だからといって気を抜いていると、その様子がバッチリ写ってしまうということに……。このlive Photosで撮影した写真は、通常の写真と同じくロック画面やホーム画面の壁紙として設定できます。設定する際に「live Photos」をONにしておけば、ロック画面を長押しすると壁紙が動きます。
live Photosで撮影した写真を共有・再生できるのはiOS9/OSX EL Capitan以降のバージョンを搭載している端末です。iMessageやiCloudで共有したり、AirDropで共有することも可能です。そんなlive Photosには「エフェクト」という機能が備わっています。このエフェクト機能を使うことで「長時間露光写真」を作成することができるのです。
なお、今回は割愛しますがエフェクト機能には「長時間露光」以外に「ループ」「バウンス」などの面白い効果もありますよ。
live Photosで長時間露光撮影するのに向いているもの
live Photosを使い、長時間露光写真を撮影するならどういうものを撮るのがベストなのでしょうか。この項目では、長時間露光撮影に向いているものについていくつかピックアップしてご紹介します。
高層ビル・マンションから眺める地上
高いところから地上を長時間露光撮影してみると、車のヘッドライトの軌跡やビルの窓から漏れる光などが濃く出るでしょう。美しい夜景を撮りたいならぜひ試してみてください。
川
渓流や滝などを長時間露光で撮影すると、水面が滑らかな絹のような雰囲気になります。絹糸が流れているかのような様子を撮影できますよ。厳かで神秘的な一枚を手に入れられるでしょう。
海
寄せては返す波がある海も、長時間露光に最適な場所の一つです。
花火
手持ち花火でも打ち上げ花火でも、花火なら長時間露光撮影をするとその輝きがより一層引き立つでしょう。四方八方に飛散する火花……。美しい軌跡を美しい写真におさめましょう。
道路・高速道路
車が行き交う交通量の多い道路や高速道路は、長時間露光撮影のベストスポット。車のライトが美しいラインを描きます。
電車
電車のライトも長時間露光向きといえるでしょう。昼と夜とでは撮影できる顔が違います。
このように、動きがあるものは長期露光撮影向きです。一方、動き・変化があまり見られない風景(風がない状態の空や銅像など)を撮影しても「普通に撮影したのと何ら変わらない」ということになるかもしれません。
live Photosで長時間露光撮影!手順を確認
iPhoneで長時間露光撮影するのに向いているものについた理解が深まったところで、live Photosを使った長時間露光撮影の手順をチェックしてみましょう。
1.「カメラ」アプリを立ち上げる
ロック画面もしくはホーム画面から「カメラ」アプリを立ち上げてください。
2.上にある「◎」ボタンが黄色くなければ押下する
「カメラ」アプリを立ち上げると、画面上に「◎」ボタンが表示されています。これはlive Photosボタン。黄色くなっていればlive Photosモードになっています。白色で◎に斜め線が入っているならOFFということ。OFFになっている場合は、この「◎」ボタンをタップしましょう。「LIVE」という黄色い文字が浮かび上がったらONになったということです。
3.「撮影」ボタンを押す1.5秒前から押した後の1.5秒間動きを止める
カメラの撮影ボタンは下の「○」です。シャッターを切る1.5秒前から1.5秒後までlive Photosは起動します。撮影ボタンを押す前後1.5秒は動きをストップしましょう。
4.静止画ファイルと動画ファイル(3秒)が保存される
JPG形式ファイル(静止画ファイル)とMOV形式ファイル(動画ファイル)が保存されます。保存先は「写真」アプリです。
5.「写真」アプリの中から先ほど撮影したlive Photos写真を選択
「写真」アプリを開いたら、撮影したlive Photos写真をタップしましょう。「メディアタイプ」内の「live Photos」から探すとすぐに見つかりますよ。
6.写真を画面に表示させた状態で上にスワイプする
live Photos写真を表示させたまま、下から上にシュッとスワイプさせてください。
7.「エフェクト」から「長時間露光」を選ぶ
エフェクトには「LIVE」「ループ」「バウンス」「長時間露光」があります。「長時間露光」を選べば完成です。
live Photosで長時間露光を撮影する際の注意点
「live Photos」を使った長時間露光撮影は、一眼レフカメラで撮影した長時間露光写真と比較できるものではありません。「ちょっと雰囲気が良い写真が撮影したい」時などに使えるものであって、一眼レフカメラを使う以上に素晴らしい写真を撮れるというものではないと心得ておきましょう。
そんなlive Photosを使った長時間露光撮影をする際ですが、注意点がいくつか存在します。この項目では、iPhoneのlive Photosを使った長時間露光撮影をする上で知っておきたい注意点を確認しましょう。
ブレてしまう可能性がある
長時間露光撮影を成功させる秘訣は「数秒間、動かずにじっとしておく」ことです。live Photosを使って撮影している間――撮影前の1.5秒と撮影後の1.5秒は、iPhoneを固定したまま動かさないようにしてください。そうしないと、被写体がブレブレになってしまって美しい写真が撮影できない可能性があります。
ブレを防ぐには下記の3つを試してみると良いでしょう。
- 安定した場所にiPhoneを置く
- 三脚を使う
- クランプを使う
テーブルや平らな場所など安定した場所にiPhoneを置いて撮影すると、手ブレの心配をしなくて済みます。
三脚は100円ショップなどでも入手できます。サイズ的に良いと思うのであれば100円ショップなどを利用してリーズナブルな三脚を持っておくと良いでしょう。三脚は安定した場所に設置するようにしてください。
三脚ではなくクランプを使ってiPhoneの安定をキープするという方法もあります。
iPhoneの状態によっては使えない
live PhotosはiPhone6S以降に標準搭載されているものであり、長時間露光写真に加工できる「エフェクト機能」はiOS11以降のiOSバージョンである必要があります。もしiOSのバージョンが11より古いままであればlive Photosで撮った写真を長時間露光写真にはできません。
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