iPhoneは水没させてしまっても、適切な応急処置をすれば故障を防ぐことができます。
なぜならiPhoneの作り自体は水が内部に侵入しにくい作りになっていますし、iPhone7シリーズ以降であれば耐水性能も付いています。
しかし、だからといって油断してしまい故障してしまうと、高額な修理代を請求される可能性があります。新しい機種だと水没による修理代は64,800円と超高額です。
そのため、iPhoneが水没してしまった場合におこなうべき対処法については知っておきましょう。
トイレに落として完全に水没しても大丈夫。まず電源OFFにしてください
iPhoneをトイレに落としてしまった場合、まずは電源をOFFにしましょう。iPhone7シリーズ以降だと、耐水性能がついていてるのですぐに拾いあげれば完全に水没しても問題ありません。
ただし、iPhone7以降の機種であっても、iPhone7以前の機種であっても、基盤のショートを防ぐために電源OFFは共通で必須です。
iPhoneの耐水性能を確認してみよう
まずiPhoneの耐水性能について紹介しておくと、iPhone7シリーズ以降には、IEC(国際電気標準会議)という規格に基づく耐水性能が認定されています。
iPhone7シリーズ以降のIEC等級と耐水性能の仕様を具体的に紹介すると下記のとおりです。
機種 | IEC 規格 60529 に基づく等級 | 耐水性能の仕様 |
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IP68 等級 | 深さ4mまで、最長30分間 |
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IP68 等級 | 深さ2mまで、最長30分間 |
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IP67 等級 | 深さ1mまで、最長30分間 |
上記のとおりの仕様があるため、iPhone7シリーズ以降の機種はトイレに一時的に完全に水没したとしても、すぐに壊れるようなものではありません。
ただし、「完全防水」ではなく、「耐水」である点には注意が必要です。内部に水が入らないように加工されている「防水」ではなく、素材が水圧に耐えることができる「耐水」です。
水没した場合は内部に少量の水が入っていてもおかしくありません。そのため、耐水性能が付いていても、念のために応急処置をおこなう必要があります。
もし水没によってiPhoneが故障してしまった場合、「AppleCare+」という保証サービスに加入していなければ、下記の表に示すとおり、かなり高額な修理代が発生します。
機種 | AppleCare+未加入 | AppleCare+加入 ※保証期間内 |
iPhone XS Max、iPhone 11 Pro Max | 64,800円 | 11,800円 |
iPhone XS、iPhone X、iPhone 11 Pro | 59,800円 | |
iPhone 8 Plus、iPhone XR、iPhone 11 | 43,800円 | |
iPhone 7 Plus、iPhone 8 | 37,800円 | |
iPhone 7 | 34,800円 | |
iPhone 6 Plus、iPhone 6s Plus | 35,800円 | |
iPhone 6、iPhone 6s | 32,800円 | |
iPhone SE、iPhone 5s、iPhone 5c | 29,400円 |
SIMカードを抜いて電源をOFFにしよう
iPhoneを水没させてしまった場合、まずは電源をOFFにしましょう。
いろいろ操作して故障がないか確かめたいとは思いますが、故障の確認は機体が乾いてからおこないましょう。まずは電源をOFFにすることが最優先です。
電源をOFFにする理由は、基盤内に水が付着していた場合のショートを防ぐためです。電気と水は相性が悪いため、基盤を故障させてしまう可能性があります。
そのため、水没をしたらまずは電源をOFFにしましょう。そのときに、iPhoneに入っているSIMカードは取出しておきましょう。
SIMカードはモバイル通信(3G/4G/LTEなどのネット通信)をおこなうために必要なもので、SIMカードが故障すると電話番号やSMS(ショートメール)、メールアドレスが使えなくなる可能性があります。
SIMカードは、iPhoneの本体の側面にある小さなアナに、専用のピンを押し込むことで取り出すことができます。もし専用のピンがない場合は、クリップなどを代用して取出しましょう。
次に、ドライヤーやタオルを使って完全に乾かしてください
iPhoneの電源をOFFにしたあとは、とにかくiPhoneを乾かしましょう。iPhoneが完全に乾くまでは電源は付けないようにしましょう。
iPhone本体の水分を拭取ろう
まずはiPhone本体に付着した水を、タオルやハンカチなど吸水性のいい布類で拭き取りましょう。
前述のとおり、iPhone7シリーズのような耐水性能付きの機種であったとしても、iPhoneに水が侵入しないような特別な加工がされているわけではありません。iPhoneは「防水」ではなく「耐水」です。
Appleの公式では、水濡れに関する注意事項で、下記のように記しています。
水濡れによる損傷を防ぐため、以下の行為はお控えください。
- iPhone を着用したまま泳ぐまたは入浴する
- iPhone に水圧が強い水や流速が大きい水をかける (たとえば、シャワー、ウォータースキー、ウェイクボード、サーフィン、ジェットスキーなど)
- iPhone をサウナやスチームルームで使う
- iPhone を意図的に水没させる
- 推奨される温度範囲外、または極度に湿度の高い条件下で iPhone を動作させる
- iPhone を落とすなど、衝撃を与える
- iPhone を分解する (ネジを外すなど)
耐水性能付きのiPhoneであっても、使っているうちに機体が欠けるなどして水が入りやすくなったりします。そのため、表面に付着した水を拭いておくことは大切です。
細かい部分に付着した水は、綿棒やティッシュを細くして使い、吸収しましょう。
ドライヤーを遠くから当てよう
全体的な水気を拭き取ったら、次はドライヤーなどで本体を乾かしましょう。ただし、iPhoneの基盤は熱に弱いので近距離からの熱風はNGです!
ドライヤーを遠くから当てて、温風でiPhoneに付着した水気を乾かします。水没してもすぐに拾い上げたのであれば、機体の奥まで水は浸透していないはずです。
そのまま電源OFFのまま放置しておき、半日~1日ほど経ったら電源ONにしてみてください
ドライヤーで乾かしたからといって、すぐに電源をつけることはおすすめしません。半日〜1日ほど風通しのいい場所に置いてから電源をONにしてみましょう。
完全に乾くまで電源はOFFにしておこう
AppleCare+などの保証サービスに加入していないのであれば、慎重になることに越したことはありません。完全に乾くまではiPhoneの電源はOFFにしておきましょう。
内部に水分が残っている可能性があるため、もし電源を入れたときに基盤がショートすると故障の原因になり、高額な修理代がかかります。
スマホ以前の機種の、耐水性能がついてない昔のケータイでは、「水没して故障したかと思ったけど、数日後に電源がついた」という話はよくありますし、私自身も経験があります。
つまり、本体に付着した水を完全に乾かすというのはかなり大切なことだということです。
素早く乾燥させるための方法
「完全に乾かす」といっても、iPhone内部に水が入っているのか、乾いているのか気になる方もいると思います。
iPhoneを分解すると、それはそれで故障の原因になるのでおすすめしません。その場合は、乾燥剤を大量に敷き詰めたジップロックなどにiPhoneを入れておきましょう。
乾燥材は、お菓子などについている下記のようなものです。100円ショップで乾燥剤だけを購入することもできます。
乾燥剤は湿気を吸収するため、iPhoneの内部などに入った水み吸収して乾燥させてくれます。念を入れて乾燥させたい方は乾燥剤を使って乾燥させることをおすすめします。
乾燥させたのちに電源を入れてみてください。
まとめ:iPhoneの水没は適切な対処で復活可能!
iPhoneは、昔のケータイに比べたら確実に水没には強いと言えるでしょう。昔のケータイはボタン付きで、ボタン一つひとつの隙間から水が侵入するような作りでした。
iPhoneはタッチパネルのため、水が入るとしても、イヤフォンジャックか電源・ボリュームボタン、SIMカード部分でしょう。
それらの隙間も極小なので、大量に水が機体内に侵入することは考えにくいです。そのため、トイレに水没したとしても、適切な応急処置をおこなえば故障を防ぐことができます。
iPhoneをトイレに落としてしまった場合、今回の内容を参考にして、応急処置をおこなってみてください。
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